“輸入型リーグ”のイングランドが育成大国に? “輸出型”へ傾く日本の課題とは
“輸出型”にも求められる「輸入のビジョン」
ところでJリーグは近年、多くの日本人選手がヨーロッパに渡り「輸出型リーグ」になりかかっているが、若手の契約も含めて輸出型対応になっていないのが現状だ。自前で育てた選手を各国クラブに売却し、移籍金を得ていくフランスやベルギーのような状態にはまだないので、気分は「輸入型」、あるいは「国内完結型」なのかもしれない。
もっともヨーロッパの「輸出型」リーグも、引き抜かれるだけでは話にならないので「輸入」もしている。ブンデスリーガでは一時期、東欧の選手が急増したし、アフリカはフランスやベルギーの選手供給源だ。オランダには北欧の選手が多い。
リーグのあり方は、代表強化にもリンクする。Jリーグも育成に力を入れるのは当然として、もし「輸出型」でやっていくなら、それなりのビジョンがないと先細りは免れないだろう。
【了】
西部謙司●文 text by Kenji Nishibe
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images