帰還した湘南の守護神、“二度目のJ1昇格”に涙 「危機感しかなかった」
「このチームでもう一度J1の舞台に…」
今年は本当にきつかったと、秋元は率直に言った。
「毎試合必死すぎて、余裕というものがなかった。首位だからという気持ちは全くなく、危機感しかなかった」
そして、こんなふうに続けた。
「……でも、このチームでもう一度J1の舞台に立ちたいという思いがすごく強い。それが一番、自分を支えていることかもしれない」
優勝を告げる長い笛が響くと、“背番号1”はこれまで幾度もチームを救ってきた両腕を力強く突き上げた。仲間と喜びを分かち合い、白い歯も浮かぶ。だがベンチに戻りマイクを向けられると、これまでずっと胸にしまっていたであろう感情が目にあふれた。その姿が、秋元の今季を何よりも雄弁に語っていた。
【了】
隈元大吾●文 text by Daigo Kumamoto
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images