帰還した湘南の守護神、“二度目のJ1昇格”に涙 「危機感しかなかった」
秋元に訪れた転機 「責任を感じていた」
「じつは痛かった」と、後に明かしている。
「薫が怪我をしてしまい、自分がどうあるべきかをすごく考えていたなかで指を痛めてしまった。でも公表せずにプレーしていたので、やると決めたら絶対弱音を吐かずにやろうと思っていた。試合に出る以上は後ろでどっしり構えなければいけないし、GKはゲームを壊してしまうポジションなので慎重にプレーした」
勝ち点を積み上げながらも、失点を喫する試合は少なくなかった。チームとして球際や詰めの一歩を見つめ直すなかで、ひとつの転機が6月上旬に訪れる。高山に代わりゲームキャプテンを担ってきた副将の菊地俊介も戦列を離れたのと前後して、第17節V・ファーレン長崎戦(1-1)では相手のシュートにDFが寄せ切れず、ゴールを許した。
だが秋元は言う。
「あれは自分が絶対に止めなければいけなかったので、ものすごく責任を感じていた。チームを救う1本をもっと自分が止めなければいけないし、攻められても落ち着いて後ろでどっしり構えることがこのチームにとって大事だと、改めて思った」
すると続く第18節のアウェー徳島ヴォルティス戦で、秋元はビッグセーブを重ね、1-0と無失点勝利に貢献した。この試合からキャプテンマークは、その左腕に巻かれていた。