ミランサポーターが観戦をボイコット!? 「スタジアムを砂漠にしよう」

名物会長の経営方針に異議を唱える

 ACミランのサポーター組織「ウルトラス」は、21日の本拠地カリアリ戦でシルビオ・ベルルスコーニ会長のチーム強化などの経営方針に対する抗議の一環として観戦ボイコットを呼びかけている。イタリア地元紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」が報じている。
 今季10位と苦闘の続くかつての名門は異常事態に陥っている。記事では「今日、サン・シーロのクルバ席は砂漠になる」と報じ、チームを勇気付けるはずのゴール裏のサポーターがストライキに突入することを伝えた。
 ベルルスコーニ会長は、かつて私財を投じてチームを欧州屈指の名門へと押し上げた。だが、最近はイタリアの経済状況の悪化を理由に移籍金ゼロ補強や、訳ありの格安補強などに終始してきた。
 パリ・サンジェルマンにスウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチと、ブラジル代表DFチアゴ・シウバを放出後、ワールドクラスと呼べる選手が加わっていない。
 一方でサポーターの批判を和らげるため、クラレンス・セードルフ前監督に続き、フィリッポ・インザーギ監督というクラブのレジェンドを連続で指名した。だが、成績不振でインザーギ監督も更迭しようとしている。
 さらに、元首相のオーナーはクラブの株式の一部をアジアの富豪に売却し、巨額の収入を得ようとしている。そうした名門の惨状に、ウルトラスのみならず、一般のサポーターも激怒。ミラノ市役所前で抗議活動を展開した。ツイッターでも「スタジアムを砂漠にしよう」と呼びかけているというのだ。
 今季空席の目立つガラガラのスタジアムでチームのために声援を送り続けてきたサポーターが、ついにボイコットに乗り出そうとしている。ピッチ上で戦うリーグ戦出場15試合連続無得点中の日本代表FW本田圭佑にとっても、やりきれない非常事態となりそうだ。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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