「非人道的」大統領が声明の異例事態 伊ラツィオサポーターの問題行動が大論争に発展

ラツィオサポーターの行動が原因となり、伊大統領がサッカー界に対応を求める事態に

 イタリアサッカー界で“過激的な右翼主義”というレッテルを貼られているラツィオサポーターが巻き起こした問題が、一国の大統領までをも巻き込む大論争に発展している。

 現地時間24日に開催されたインテルとサンプドリアの一戦では、試合前にユダヤ人虐殺(ホロコースト)で犠牲となったアンネ・フランクの日記を読み上げ、1分間の黙祷の時間が設けられた。リーグ公式サイトでは、この理由を「サッカーのイメージを傷つける“ファンもどき”による愚かさを指摘するもの」としている。

 イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」によると、この原因を作ったのがラツィオサポーターだった。22日にラツィオのホーム、スタディオ・オリンピコで開催されたラツィオとカリアリの一戦で、アンネ・フランクの肖像にライバルチームであるローマのユニフォームを着せたシールが、スタジアムの壁やトイレなどいたるところで見つかったという。

 過去にも人種差別チャントを歌うなど、ラツィオサポーターとイタリアサッカー連盟を含めたリーグ運営側は数々のトラブルを起こしてきた。しかし、世界的にも人類史上で有数の悪しき歴史とされるホロコーストを肯定するかのような行動は、サッカー界以外にも波紋を呼んだ。イタリアのセルジョ・マッタレッラ大統領は「非人道的で、我が国にとってただならぬ事態だ」と声明を発し、サッカー界に対応を求める異例の事態となった。

 

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