マルセイユ酒井が「狂気のダービー」で触れた“世界” ネイマールを落第させたサイドの攻防

“ネイマール保護”の匂いがした警告

 ネイマールとの対決は後半。酒井がタックルすると、足を引っかけてしまいファウル。しかもイエローカードが提示される。その判定に珍しく憤然とする酒井。ネイマールは引っかかった足ではなく、なぜか手を気にしていた。

 この試合の開始前、メインスタンドに向かって両チームが整列するなか、ネイマールだけが遅れて登場している。たぶん演出なのだろう。テレビカメラは通路を走ってくるネイマールを捉えていた。酒井へのイエローカードには“ネイマール保護”の匂いがした。カードを出すほどのファウルには見えなかったが、ネイマールはPSGだけでなくリーグ・アンにとっても、スーパースターなのだろう。

 ネイマールは前半に同点ゴールを決めている。マルセイユのMFルイス・グスタボに先制点を許して迎えた同33分、MFアドリアン・ラビオのパスを左足でダイレクトで合わせてゴールした。しかし、その後のネイマールは酒井、FWフロリアン・トバン、MFアンドレ=フランク・ザンボ・アンギサらに厳重に監視され、これといった見せ場を作れずに立ち止まったままのプレーが目立ち、いつものネイマールと違っていた。そしてマルセイユがトバンのゴールで2-1とすると、ネイマールはFWルーカス・オカンポスへの報復行為でこの日2枚目のイエローカードをもらって、退場処分となった。

 現在のPSGは、カタール政府の“国策クラブ”と言っていい。2022年のワールドカップ開催へ向けて莫大な予算を組むカタールにとって、PSGとネイマールはいわば宣伝ツールになっている。バルセロナとの契約を打ち切り、その分PSGに投資した。

 

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング