マルセイユ酒井が「狂気のダービー」で触れた“世界” ネイマールを落第させたサイドの攻防
因縁深きPSGとの「ル・クラスィク」にフル出場 ネイマール、ムバッペらと対峙
フランスのリーグ・アンで22日、マルセイユ対パリ・サンジェルマン(PSG)の「ル・クラスィク」が行われた。世界のナショナル・ダービーの中でも、特異な位置を占めている一戦である。
過去にはメインスタンドにいる当時パリ市長だったジャック・シラク(後のフランス大統領)目がけて手製のロケット弾が発射され、ある時はパルク・デ・プランスのアウェー座席がことごとく破壊されて投げ入れられ、破片が突き刺さった。今回もPSGのブラジル代表FWネイマールがCKを蹴るたびに物が投げ入れられ、警備員が盾でネイマールを守っていたが、こうした光景はもはや恒例行事と言っていいかもしれない。かつてPSGでプレーした元ブラジル代表MFのレオナルドもロナウジーニョも、同じ目に遭っていた。
現在のマルセイユには、日本代表DF酒井宏樹がいる。相手のPSGにはネイマール、ウルグアイ代表FWエディンソン・カバーニ、フランス代表FWキリアン・ムバッペなどスターが揃い、今季のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)優勝も狙える顔ぶれだ。酒井のいる右サイドでマッチアップするのはネイマールで、左SBのDFレイバン・クルザワも上がってくる。スタートポジションは右サイドだが、本来は左が得意なムバッペも流れてくる。
最初に酒井とデュエルになったのは、怪童ムバッペだった。PSGで最も速い、いや現在世界でも最速の部類に入る18歳アタッカーの縦への仕掛けに対して、酒井はスライディングしながらクロスボールのコースを切る。ムバッペは素早く切り返したが、あっという間に起き上がっていた酒井がボールを奪った。