ハリルの“秘密兵器”!? 浦和MF長澤に「攻守のプレーのボリューム」が生まれた舞台裏
「ストロングポイントは重心が低いこと」
対戦したG大阪のインサイドハーフは、10月シリーズで招集されたMF倉田秋とMF井手口陽介。“比較材料”として、ひとつのモノサシとなる試合だったと言えるだろう。長澤はこうしたハリルホジッチ監督の発言を受け、「見てくれているのは嬉しい」と話しながらも、「まずはチームで良いプレーをすること」と冷静に現状を分析した。
G大阪戦は台風21号が接近する中で開催され、試合前から大雨が降り続く中でのゲームだった。スリッピーな状況でもバランスを崩すようなことがなかった長澤だが、そこにはブンデスリーガ、そしてケルンでのプレー経験が生きているという。
「ドイツの方が、ピッチは比べ物にならないほど緩いんです。だから、僕は今日の埼スタのピッチがそんなに緩いとは思わなかった。ドイツの芝は粘り気もあるし滑りやすいんですけど、そこに慣れてくると滑らなくなってくるんです。背が小さい自分のストロングポイントは重心が低いこと。それを発揮していくのが相手にも嫌なことになりますからね」
悪天候の中でも馬力と安定感があり、低い重心でボールも運べる。インサイドハーフを組んだMF柏木陽介も「カズキはボールを持ち運べるし、タメを作れる」と長所を挙げる。浦和にとって日本代表の欧州遠征(11月10日ブラジル戦・14日ベルギー戦)はアル・ヒラルとのACL決勝直前となるが、初戦(11月19日)がアウェーだけに欧州遠征に参加して、そのまま浦和の合宿地と見込まれるUAE入りというスケジュールは十分に考えられるだろう。
ハリルホジッチ監督が「ナガサワは攻守にプレーのボリュームがあった。私にとって良い発見だ。次の合宿に呼ばれてもおかしくない」と絶賛するほどの急成長を見せる25歳が、日本代表の中核ポジションに殴り込みをかけられるか注目だ。
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轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images