本田、苦境にも強い覚悟示す 「こういう困難に立ち向かうのが本田圭佑」

ミランの10番は「オンリーワン」

「誤解されては困る。(ミランは)来る前からこういう状況でしたから。僕が来てからこういう状況になったわけではない。それを自ら選んだというのは以前も話した。自ら10番を選んだその責任、重圧というのは、常々感じている。常に自分は世界でトップを取ったような選手と比べられる。それに満たない活躍、満たないチームの成績、それはプレッシャーとしてある。

 サンシーロのブーイングがそれを物語っているんでしょう。何も今抱えている問題が嫌だと思ったことはない。自分の生き様としてはこういう困難に立ち向かうのが本田圭佑でありますから。常に難しい。それは人生、今に始まったことではない」

 昨年の不振により、今季の欧州カップ戦出場権を失うという屈辱的な事態に直面している名門だが、本田はその凋落が昨年1月に自身がCSKAモスクワから加入する以前から起きていたと指摘する。その名門の苦境を理解した上で、かつて栄光を誇った背番号「10」を選んだことも改めて語っている。

 かつてのオランダ代表MFルート・フリット、旧ユーゴスラビア代表MFデヤン・サビチェビッチ、クロアチア代表MFズボニミール・ボバン、ポルトガル代表MFルイ・コスタら世界屈指の名手が背負った象徴的な番号。今、本田はそれに相応わしい結果を出すことができず、低調な結果のチームとともに、閑散としたホームスタジアムのスタンドから厳しいブーイングを受けている。

 その苦境にもがく姿こそが「本田圭佑」だと自ら語っている。

「ミランの10番という環境で学ぶことは多いと思います。オンリーワンだと思います」

 地元メディアの間では、フィリッポ・インザーギ監督のみならず、選手の来季去就についても報道が出始めている。長らく結果を出せない状況とチームの成績悪化で本田にも厳しい意見が出ているが、本人は来季も唯一無二と語るミランの「10番」を背負い、使命に挑む覚悟を決めている。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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