「トライアングル」とサイド攻略 欧州強豪3クラブに見る千差万別のアプローチ
バルサになくてマンCにあったもの
トライアングルを違う角度から捉えると、ラインを二つ作るということ。単にボール保持者から見てパスコースを二つ作るのではなく、例えばボールを持っているSBの前にインサイドハーフがいて、さらにその延長線上のゴールに近いところにウイングがいるなら、相手ゴールへ向かう1本のパスコースの近い位置と遠い位置の段差ができる。遠い方へパスすると、中間ポジションの選手はフリーになりやすい。だからゴールラインと平行に二人が横に並んでいる三角形はあまり意味がない。
というわけで、サイドのトライアングルは2種類ある。どちらか一つを使い続けるのではなく、一方から一方へ常に変化し続けることがポイントだ。
14日にアトレチコ・マドリードのホームに乗り込んだバルセロナは、サイドで二つの三角形を作り続けた。それで打開できない時は、サイドを変えて逆サイドのトライアングルへ。バルサ得意の攻め方だが、このゲームではあまり有効ではなかった。アトレチコの守備が堅く、パスを回しているだけで突破できない。
本当は、トップ下のFWリオネル・メッシが三角形の隙間に顔を出してパスを受けたかったのだろうが、なかなかそういう形にはならなかった。結局はメッシとFWルイス・スアレスの個の力でチャンスを作っていた。なんとか1-1の同点にしたものの、バルサはポゼッションの優位性を上手く崩しに結びつけられていなかった。
プレミアリーグでは、マンチェスター・シティがバルサとほぼ同じことをやって、7-1でストークを一蹴している。アトレチコとストークでは守備力が全然違うということなのだろうが、シティにスピードのあるウイングがいたことも大きい。FWラヒーム・スターリングとMFレロイ・サネは一気に縦へ抜け出る速さがあった。バルサはMFアンドレス・イニエスタとMFアンドレ・ゴメスだったので、隙ができた時にそこを突くスピードがシティに比べると欠けていた。