目指すは20年東京五輪 トップアスリートが「部活」の競技力向上を支援
サッカーではクラブチームが隆盛、「部活」強化が東京五輪につながるか
日本のプロサッカー界では大学やクラブユース出身者の数が上昇傾向にある一方で、高校の部活動出身の選手は段階的に減っている。
日本代表においては2010年南アフリカW杯の最終メンバー23人のうち19人が高校のサッカー部出身選手だったが、昨年のブラジル大会は23人中13人と大きくその数を減らしている。
高校サッカー部とクラブチームが参加し、最強チームを決める高円宮杯U-18サッカーリーグの最高位「プレミアリーグ」の2014年度大会では、参加した東西20チームのうち、高校サッカー部は7チーム。優勝チームはセレッソ大阪の下部組織U-18チームで、準優勝は柏U-18だった。11年に発足した同大会で高校サッカー部が決勝戦に進出したのは、13年大会で優勝した流通経済大学付属柏高校(千葉)が唯一。それ以外はいずれもクラブユース同士が戦った。現在は高校サッカーにおいて、部活よりもユースチームが優位性を誇っている。
今回のイベントは20年東京五輪で活躍するアスリート育成に向けて部活の競技力を高める狙いがある。直接指導の後には「ブカツのミカタ」公式サイト上でトップアスリートが生徒からの質疑応答に応じるなど、幅広い育成とサポートを展開する予定だ。
今回指導を受けた麗澤高2年で副主将を務めるDF内田涼貴は「すごく刺激になりました。トッププレイヤーになるのは簡単ではないけれど、志をもってやっていきたい」と充実した表情を浮かべた。一方、サッカー部顧問の古川圭介監督は「トッププレイヤーによる指導は初めてです。基礎の大切さをすごく再認識しました」と話した。
「最初、生徒は遠慮がちだったけれど、積極性を出してくれてよかった。部活のいいところは全員で共通意識を持ち、目標を持って乗り越える部分だと思う。そういう環境で高校の3年間過ごしたことは自分にとっては有益だった」
講師役を務めた三浦氏はこう語っていた。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web