現地で意見が割れるヘタフェ柴崎の「復帰時期」 カムバック後に待ち構えるものとは?
保存療法ではなく手術に踏み切ったのは…
ボルダラス監督のここまでの選手起用を見ると、試合ごとにメンバーを大きく入れ替えることはない監督だ。選手に出場時間を分配するのではなく、固定したメンバーで戦っていく監督であり、柴崎が怪我から復帰した時に、定位置がすぐさま与えられる保証はない。
ともかく、今は戦列復帰に向けて焦ることなく怪我を完治させることが柴崎にとって一番重要だ。選手にとってチームを長期離脱することは、心中穏やかでいられないことだろうが、昨シーズンにテネリフェに加入した際も今回と同じ、もしくはそれ以上の逆境を乗り越えてきている。
何より、このタイミングで保存療法ではなく手術に踏み切ったのは、ヘタフェでの戦いだけでなく、シーズン終了後のロシア・ワールドカップ出場も見据えているからこその決断だろう。その思いを果たすためにも、戦列復帰後に待つ勝負の時に向けて、柴崎は今、静かに牙を研いでいるはずだ。
【了】
山本孔一●文 text by Koichi Yamamoto
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images