美しい弾道で観客魅了 “オシムチルドレン”のベテランMFが見せた芸術的ループ弾

今季から松本で10番を背負うMF工藤、古巣の千葉戦で華麗なテクニックを披露

 J2松本山雅FCは14日に行われたリーグ第37節の敵地・ジェフユナイテッド千葉戦で1-5と大敗を喫したが、そのなかで輝きを放ったのがベテランMF工藤浩平だ。美しい弾道のループシュートで観客を魅了した。

 試合は開始7分、千葉のFWラリベイに先制される苦しい立ち上がりとなったなか、0-1と松本ビハインドのまま後半へ突入。後半2分に訪れたチャンスで華麗なテクニックを見せたのが、松本の33歳MF工藤だった。

 FW高崎寛之からのパスを相手ペナルティーエリア手前の中央で受けた工藤は、相手に囲まれる前にペナルティアーク内から右足を一閃。美しい弧を描いた軌道のループシュートは、やや手前に出ていた相手GK佐藤優也が伸ばした手の上をすり抜けてゴールネットを揺らした。芸術的な一撃に工藤もガッツポーズを見せ、松本サポーターも歓喜。試合後、工藤は「落ち着いて打てた。キーパーの位置を見て狙っていた」と明かしている。

 千葉ユース出身の工藤は2003年にトップ昇格。同年から千葉を率いた元日本代表のイビチャ・オシム監督の下、“オシムチルドレン”の一人として頭角を現した。2008年には岡田武史体制の日本代表で初招集されている。代表では出場こそなかったものの、オシムイズムを知る工藤は2010年まで千葉でプレーし、京都サンガ、サンフレッチェ広島と渡り歩き、15年6月に松本へ加入。今季から10番を背負っている。

 工藤が古巣相手に芸術的なループ弾を決めて勢いに乗ったかと思われた松本だが、ここから4失点を喫し、最終的に1-5で敗れた。松本にとっては課題が残る一戦となってしまったものの、工藤の一撃は多くの人の心を打ったに違いない。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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