大波乱のW杯予選に見る「代表チーム不確実時代」 困難極める強化と進む“個”への依存
“型”がはっきりと存在するからこその停滞も
しかし、進歩や変化がなければマンネリ化して、相手も対策を立てやすくなるので、強豪国でも苦戦必至となっている。
チリやオランダは、チームの型がはっきりしているがゆえの停滞があったと言える。チームとしてのスタイル、そしてそれがもたらしてくれる安定感がないと予選を勝ち抜けないが、それが進歩を阻害し、結果的に全体の戦力が均衡化してしまっている。
今後の代表チームはよほど計画的に強化していくか、そうでなければスーパースターの有無で、すべてが決まってしまう状況が続くのかもしれない。
【了】
西部謙司●文 text by Kenji Nishibe
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images