男気溢れるセンターバック マンU退団を表明したリオ・ファーディナンドの素顔

親日家として知られ、香川も支える

 聞けば、日本が大好きだという。2002年の日韓W杯でイングランド代表は日本で戦ったが、それ以前から日本に魅了され、プライベートでも何度か訪れているという。そして「人も食べ物も大好きなんだ」と話してくれた。

 2度目の肉声は同年7月26日、マンチェスター・U日本ツアーの第2戦となったセレッソ大阪戦直後のインタビューだった。

 この試合、ピッチ上は40度を超える猛暑で、試合後のファーディナンドはまさに疲労困憊という様子だった。歩くもの億劫という感じだったが、声をかけると止まってくれた。そして、「90分やったら3、4キロ減ったよ。こんなタフなコンディションでサッカーをやったのは、初めてかも知れない」とかすれた声で囁くように話してくれた。

 監督が代わったけど、シンジは大丈夫かと聞くと、「あれだけの技術がある選手。監督が代わっても大丈夫だ。それに俺が面倒見るからね」と、疲れ切っている中、またもあの魅力的な笑顔を見せながら語ってくれた。

 思えば、昨季のマンチェスター・U優勝パレードの最後、市内中心にあるピカデリー・ガーデンズ広場に設けられた特性ステージ上で、隅っこの方にいた香川の肩を抱いて中央に押し出したのもファーディナンドだった。

 そして、自ら声を張り上げ、「All we need is Japanese power, Shinji Kgawa! Shinji Kgawa! 」と、香川のチャントを歌いだしたのを鮮明に覚えている。

 それは「自分は今回の優勝の主役ではない」とはにかんでいた香川に対し、「お前も立派にやったじゃないか」と励ますようなシーンだった。

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