なぜ日本代表の“武器”は失われたのか? ハリル監督が「受け入れられない」と苦言
相手ゴール前でファウルが減った理由
言われてみれば、ごもっともという話だ。セットプレーキッカーが直接ゴールを狙う機会がなければ、ゴールが生まれるはずもない。何もないところから、FKからのゴールという結果だけは取りだせないからだ。ハリル監督が話すように、FKからゴールを得るためには、当然FKを得なければいけない。日本サッカー協会による公式な資料では、ニューランドを相手に61パーセントのボールポゼッションを記録し、シュート18本、コーナーキック11本を獲得したが、直接狙える位置のFKは皆無だった。
では、なぜ日本代表は相手ゴール前で受けるファウルが減ったのだろうか。
一つは、ゴール前の狭いエリアで強引にでもドリブル突破やワンツーなどで突破する機会が少ないからだろう。相手がファウルする瞬間というのは、純粋に攻撃側の技術が上回る場合もあるが、相手に突破される恐怖感を覚えた時に多い。相手と近い距離をすれ違うようにスピードアップする瞬間が少ないため、そうした恐怖感を与えられていないのではないだろうか。
もう一つは、相手選手を背負ったFWにショートパスを入れるのを避ける傾向が強いからではないかと見える。確かに、縦パスをインターセプトされれば、ゴール前まで攻め込んでいたとしてもカウンター攻撃を受けるリスクはある。しかし、ゴールに近いところでポイントを作られて嫌がらないDFはいない。当然、そうした場所で受けるFWに対して当たりは厳しくなり、それが結果的にファウルを誘発する。フリーな選手を作りながらボールを回すことの多い日本だが、マークされているのを承知でボールをつけることも必要となりそうだ。