ハリル新監督、就任会見(中)「スターの能力を持っていてもチームのために」
「ボールタッチ数も制限していきたい」
――目指すサッカーは攻撃的か、それとも守備的か。
「フットボールには2つの面がある。ボールを持っている時、持っていない時。持っていない時は、現代では全員がブロックを作り、全員が守備をしている。ブロックの高さには高い、低いあるが全員が関わらなければいけない。
例えば、全員が努力しないといけない時に1人だけ欠けてはいけない。ボールを持っている状況では、ビルドアップでもみんなが関わらなければいけない。私は元々FWだった。全選手に期待したいのは効果的な選手であること。オフェンスが大好きでビルドアップも前に行ってほしい。たくさんの選手に関わってほしい。
オフェンスでもたくさんの人数をかけたい。これも向上させたい。スピードアップ、ボールタッチ数も制限していきたい。ワンタッチ、ツータッチを多く使っていきたい。エリア内では何人かが崩しに関わる。3、4人。日本代表の人たちはそういったクオリティーを持っている。現段階よりも高いレベルを見せることができると思う。
最初に選手に話し、個人と話したい。個人のクオリティーがチームに生きていることも話したい。バルセロナとかブラジルようなサッカーをしたいという指導者もいるが、我々は日本、日本代表として戦いたい。現代のフットボールでは高いレベルを求められる。フィジカル、テクニカル、タクティカル、メンタル面もそう。高いレベルに達しなければいけない。そういったことを向上させないといけないし、できると思っている。
私は楽観的に考えている。勝利が大事。たくさん勝利を届けたい。この考え方に貢献する選手が大事。チームがスターだと思っている。個人の能力をダメにしてはいない。スター選手のような能力を持っていても、チームのために仕事をしないといけない。どうやって組織的に戦うか、攻守で一人ひとりに話したい。できるだけ早くそういった仕事を始めたい。
これからグループとしてプレーすると思うが、おそらくメンバーは毎回代わってしまうかもしれない。今のところ確定している選手はいない。スタメンも決まってない。まずプレーしてもらう。国内、国外の選手もそう。国内のフットボールをしっかり見る。Jリーグには能力の高い、若い選手がいると聞いている。今のところ、できるだけたくさんの選手に可能性を与えたい。日本代表はすべての人のため、そこに入る能力のある人が入るということ」
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images