日本代表10月2連戦「ポジション争いの構図」 8カ月後のW杯へサバイバル激化
激戦区の左ウイング、本田招集外の右は…
ピッチ中央に入る攻撃的な中盤では、香川真司(ドルトムント)が競争をリードする存在だろう。しかし、その他の選手たちは完全なる競争にある。3ボランチ気味の布陣も手札に持つハリル監督だけに、ここに招集選手の人数をかけない可能性も高い。さらには、今回は負傷中のMF柴崎岳(ヘタフェ)や、清武弘嗣(C大阪)という実力者もいる。招集される数の割にチャンスが少ない面もあるが、MF小林祐希(ヘーレンフェーン)やMF倉田秋(G大阪)にとって、この10月シリーズでのアピールは不可欠だ。
攻撃的な右サイドでは今回、FW本田圭佑(パチューカ)が招集外となった。しかし、アジア最終予選の後半でレギュラー格になってきたFW久保裕也(ヘント)の成長が著しく、浅野拓磨(シュツットガルト)には群を抜くスピードという“特殊能力”がありジョーカーとしての序列が高い。他のポジションの人数との兼ね合いもあるが、本田はメキシコで復活を印象づけるパフォーマンスを見せなければ、厳しい立場になりそうだ。
逆の左サイドでは、今回の招集メンバーではFW原口元気(ヘルタ)とFW乾貴士(エイバル)による一騎打ちの構図となっている。現状の起用法からは、守備面でのハードワークにより原口がハリル監督の信頼を得ていると見られる。原口はバイエルン・ミュンヘン、乾はバルセロナやレアル・マドリードといった欧州トップクラスの名門との試合で、ゴールやアシストといった結果を残している。FW武藤嘉紀(マインツ)もプレー可能なポジションであり、今回は招集外となっているものの、ハリル体制発足時から高く評価されてきた宇佐美貴史(デュッセルドルフ)もいる。激戦区のポジションだけに、新たな戦力が牙城を崩すのは並大抵のことではなさそうだ。