ハリルJの熾烈な世代間競争にベテラン陣も危機感 鳴り響く“サバイバル”のゴング
ハリル監督が植え付ける競争意識
「次の代表に呼ばれるかどうか分からないという気持ちや危機感もある。その分、親善試合だとか移動がどうとか、コンディションがというより、このユニフォームで日の丸を付けてピッチに立てる、呼んでもらえるというのがどれだけ名誉で自分の誇りなのかと、その重みを感じるところがあります」
2008年5月の代表デビューから代表チームを支えてきている長友にさえ緊迫感が生まれている。当然、これまでの代表チームにも競争は存在したが、同世代の盟友がメンバー外となり、ハリル監督の植え付ける競争意識が言葉だけでのものでないことを実感しているという。だが、長友自身はそれがハリルジャパンの強みにもなり得ると強調した。
「最終的に個々のレベルがアップしないといけないんですけど、監督も新しい選手を呼んで、刺激を与えて、チャンスを与えてという感じで、今まで代表にいた選手もみんな危機感を持っていますよね。みんな活躍して自信を持っているけど、ギラギラしているものが自分自身も含めて出てきている。これが良い方向に進むんじゃないかという期待は持っています」
また、攻撃陣ではそうした選手たちの中で今回のメンバーに名を連ねた87キャップを持つMF香川真司(ドルトムント)も、その競争の渦中にあることを自覚している。8月31日に本大会出場を決めたアジア最終予選のオーストラリア戦では、負傷明けのなかで招集された影響もあったのか、ベンチスタートで出場のないまま試合を終え、次のサウジアラビア戦を前に代表から離脱した。しかし、香川自身は「温存と捉える気持ちは全くない。ただ、試合に出られなかっただけ。そこでチームが結果を残した危機感がある」と自身を特別視していない。