ハリルが否定した日本の「ポゼッション信仰」 強豪国に勝つために必要な要素とは?
代表メンバー発表会見の席上で熱弁 デュエルの重要性を改めて強調
日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督が、9月28日に行われたメンバー発表の席で「ポゼッション信仰」に疑問を呈した。かつて指揮を執ったことがあるパリ・サンジェルマン(PSG)とバイエルン・ミュンヘンが激突したUEFAチャンピオンズリーグ第2節のスタッツを示し、3-0で勝利したPSGのポゼッション率は低かったがデュエルの勝率が高かったことから、これまで自身が強調してきたデュエル(1対1の決闘)こそ大事と述べた。
この話に関して、一度に感想を言うのは難しいので分けてみたい。
まずは日本サッカー界のポゼッション信仰――これはあるかもしれない。一概に良い悪いとは言えないが、育成年代においては特にパスをつなぐことが重視されている。
かつて日本には「ダイレクトプレー信仰」というのもあった。こちらは「15秒以内にシュートしないと……」みたいな話。同じように「走行距離信仰」「スプリント数信仰」、そして「デュエル信仰」というものも、たぶん存在する。要するに日本人は数字に弱い、数字の読み方を知らないということだ。
ボールポゼッションは、どちらがどれだけボールを持っていたかを示す数字にすぎない。走行距離やスプリント数、そしてハリルホジッチ監督推奨のデュエルにしても、すべてサッカーの一部分が切り取られた数字だ。ポゼッションが勝利に直結しないことくらい、もはやファンの間で実感として周知されていると思う。私はあまりスポーツ新聞を読まないのでよく知らないのだが、「ボール保持率が低い」という監督批判が本当にあったとしたら、それは単純にメディアが間違っているだけだ。