マンチェスター・ユナイテッド(マンU)のルイス・ファン・ハール監督は、今季270億円の移籍金を投じながらも無冠の危機に直面している。だが、クラブの有力OBからは、消極的な理由で続投を支持されている。 ロイ・キーン氏は、英国営放送「BBC」に古巣が9日の1-2で敗退したFAカップ準々決勝アーセナル戦後に語った。かつて闘将と恐れられた元アイルランド代表MFは、マンUで7度のリーグ優勝と、4度のFAカップ、さらにUEFAチャンピオンズリーグ(CL)も制した。数々のタイトルを手にしたレジェンドはこう言った。 「多くのファンはマンUのようなビッグクラブがな ぜこうなったのか理解に苦しむだろう。彼らはデイビッド・モイーズにもっと時間を与えるべきだった。だが、そうはしなかった。彼らはこれから何をするのか。クビにして、監督をすげ替えるのか。ファン・ハールはまだドアの前に立ってから2分しかたっていない。時間が必要だ。まさに再建する仕事なのだから」 同紙は本来的には現レアル・ソシエダのモイーズ監督を続投させるべきだったと主張を展開。2期連続の短命政権では、強豪復活へのプロセスがさらに遅れる危険性が高いという。ファン・ハール監督の手腕ではなく、短期政権の連続を避けるための続投支持だった。 今季は欧州のカップ戦の出場権を失い、リーグカップも初戦で3部相手に敗退。さらに、残されていたFAカップでも敗退 が決まった。オランダ人指揮官にとっては、来季のCL出場権を得られるリーグ4位の死守が現実的な目標となる。 キーン氏は「4位を逃せば、大惨事になるだろう。このクラブに関わる人間やOBにとっての大問題は10年前のチームを振り返り、比較してしまうこと。前を見据えなければいけない。選手と監督に集中し、サポートしなければいけない。トップ4には十分入れる力はあると私はまだ考えている」とも語っていた。 2年連続で欧州CL出場権喪失の危機的状況を避けるため、闘将はクラブ関係者やOBに現体制のサポートを呼びかけていた。 【了】 サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images