神戸FWポドルスキ、近づく本領発揮の時 トップ下起用と言葉に垣間見る“一流の証”

「ブンデスとJリーグを比べるのはナンセンス」

「僕はこれまでドイツやイングランドなどでプレーしてきたが、たしかにその国ごとに独自の雰囲気はあった。日本より何倍ものサポーターを集めたスタジアムも当然ある。だが、僕はそれを他と比べることはしない。日本には日本の素晴らしい雰囲気があり、ヨーロッパにはヨーロッパの雰囲気があるというだけだ。来日して、僕は世界のサッカーと日本のサッカーの違いについてよく質問を受ける。だが正直、選手も、体格も、歴史も違うブンデスリーガとJリーグを比べること自体が難しいし、ナンセンスだと思う。

 だからこそ、僕はただ日本、Jリーグの特性を…『狭いところでのプレーやテクニックといった個人の特性を生かしたサッカーをする。日本人はよく走り、勤勉にプレーすることに長けている』といった事実を受け入れて、プレーするだけだ」

 ドイツ、イングランド、イタリア、トルコ……。彼がこれまでプレーした国々で、目を見張る結果を残し続けてくることができたのは、単に自身の才能やポテンシャルの高さをひけらかすのではなく、行く先々の環境、サッカーを受け入れ、そこで自分がより活きる方法を探り、それを結果につなげることで信頼を勝ち取ってきたからだ。だとすれば、日本でもそのポテンシャルを存分に発揮できる日はそう遠くないだろう。

【了】

高村美砂●文 text by Misa Takamura

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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