『らしさ』を出し合った好ゲームを制した浦和 124日ぶりの勝利

浦和と湘南が培った4年目の『らしさ』

 お互いが『らしさ』を見せた試合だった。浦和は、J1開幕戦で湘南と対戦して3-1で逆転勝利を収めた。実に124日ぶりの勝ち点3を獲得した。前半36分に湘南がDF遠藤航のPKで先制するも、41分にFW興梠慎三がセットプレーからゴールを決めて同点に追いつく。後半30分にDF宇賀神友弥、同32分にDF那須大亮が得点を挙げて勝負を決めた。
 湘南は曺貴裁を監督に迎え、4年目となる。素早い攻守の切り替えと奪ってからの縦に速い攻撃は「湘南スタイル」と呼ばれ、昨季はJ2リーグで対戦相手から恐れられてきた。J1で苦しい戦いを強いられようとも、J2に降格しようとも、変わ ることなく研さんを積み上げてきた。クラブにも指揮官にも選手にもブレがなかったのは、これがまさに湘南『らしさ』だと胸を張って言えたからだろう。
 その結果、昨シーズンはJ2で快進撃を続け、勝ち点101と圧倒的な優勝を飾ってみせた。このスタイルにさらに磨きをかけ、今シーズンはJ1での躍進を誓っている。
 対する浦和も、ミハイロ・ペトロビッチ(ミシャ)監督体制となって4年目。ミシャが掲げる戦術は非常に特異で独特だ。ある意味では浦和というよりも、ミシャ『らしい』サッカーと呼べるかもしれない。その表現したいスタイルは、着実にピッチ上で表現されつつあり、浦和にも『らしさ』ができつつある。
 だが、ここ数年は、ネガティブな意味での“ソレ”も存在する。 ボールは支配するもゴールを決めきれず、自滅する形で試合終盤に失点を喫するパターンだ。昨季第32節のガンバ大阪戦以来、公式戦6試合で1分5敗と結果を残すことができず、サポーターからも厳しい声が飛ぶようになっていた。

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