殊勲の浦和MF高木、劇的なACL4強決定弾に苦笑い 「当たり損ねてスーパーシュートに…」
「あれを狙ったと言ったら恥ずかしい」
「完全に折り返しで、当たり損ねてスーパーシュートになりましたよね(笑)。あれを狙ったと言ったら逆に恥ずかしいですよ。サッカーをやっている人にだったら、『これは狙ってねえな』って絶対にバレますから。断言できますね、完全に持ってる」
高木は目線も体の向きも中央への折り返しを狙う状態で、丁寧に左足のインサイドで合わせようとしたが、それが思わぬ方向に飛んだ。しかし、そういった状況だったからこそ、川崎のGKチョン・ソンリョンも虚を突かれて反応できなかったのだろう。それがどのようなものであったにせよ、高木の1点が全ての勝敗に決着をつけたのは事実だ。
高木は昨季もルヴァン杯で得点王に輝くなど、秋口からの活躍が目立っている。自身も「最近はシーズンの入りが上手くいかなくて」と、今季も右足の疲労骨折でキャンプに参加できないところからのシーズンだった。
それでも、多士済々なアタッカーが揃う浦和の中で、疲労が溜まってくる時期から調子を上げてくる選手の存在は貴重だ。後半途中から疲労感が限界に達しながら交代の指示を出さなかった堀孝史監督に対しても、「信じて使ってもらえて感謝したい」と話し、笑顔でスタジアムから去っていった。
【了】
轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images