ジェラードの真の後継者 キャプテンマークを巻く勝率100%の男

新たなリーダーの誕生

「僕は信じている。ジョーダン・ヘンダーソンが偉大なキャプテンになるための全てを兼ね備えていることを」

 リバプールのキャプテンを担うMFスティーブン・ジェラードは、英地元紙「リバプール・エコー」のインタビューでそう口にした。

 ジェラードは年初め、アカデミー時代から一途に所属してきたリバプールからの退団を表明。来季からMLSのLAギャラクシーに加入することが決定している。

 マージーサイドの生ける伝説となったジェラードの退団は、リバプールが世界最高峰のキャプテンを失うことを意味する。

 若いプレイヤーが多くを占めているのに加え、指揮官を務めるブレンダン・ロジャース監督も42歳と、プレミアリーグでは若い監督に位置づけられる。その中での偉大なキャプテンの退団は、クラブに多大なる影響をもたらすことを懸念されていた。

 しかし、ジェラードがリーグ戦第25節で負傷し、ヘンダーソンが離脱時のキャプテンを任されるようになってから、その懸念は新たなリーダー誕生への期待によってかき消された。

 第27節のマンチェスター・シティ戦では前半11分、ヘンダーソンが巧みなミドルシュートで先制点を奪取し、勝利に貢献。第28節のバーンリー戦では、前半29分にボックス外のこぼれ球を強烈なダイレクトボレーでネットに突き刺した。さらに後半6分には右サイドからのピンポイントのクロスでFWダニエル・スターリッジの追加点をお膳立てした。

 ゴールに直結したプレーだけではない。ハイレベルでの消耗戦となったマンC戦での試合終了間際には高い位置からダイナミックなプレッシングでボールを奪い、決定機を演出するなど、90分間、闘争心を剥き出しにしていた。強烈なシュート、華麗なアシスト、勝利への闘争心。それらを備えるヘンダーソンの背中は、長きに渡りチームを引っ張ってきたジェラードと重なっていた。

 だが、ここまでの道のりは決して順風満帆ではなかった。2011年にサンダーランドからリバプールへと加入したヘンダーソンは、当初はベンチから試合を眺めることがほとんどだった。しかし、不屈の精神でチームの主力へと駆け上がり、今季からは副キャプテンを任されるまでとなっていた。

 

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