ハリルJと「世代交代」 日本代表歴代W杯メンバーに見る最適なバランスとは

過去5大会のメンバー構成から分析 年齢バランスに優れた10年南アフリカW杯

 ロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選グループBの首位通過を確定させた日本代表にとって、9月5日の敵地サウジアラビア戦は消化試合である。ならば、バヒド・ハリルホジッチ監督のチームにとって、この試合はどのような意味を持つのか――。

 世代交代が本格化するのかが問われる一戦、と言っていいだろう。

 過去5回のW杯に出場した日本のメンバー構成を見ると、三つの五輪世代が中心となることが多い。以下で記した通り、2006年ドイツW杯のメンバーが、1996年アトランタ、2000年シドニー、04年アテネの各五輪のピッチに立った選手で構成されたように、である。三つの世代が折り重なることで、年齢バランスが整っていく。

【過去5大会のW杯登録メンバー・五輪世代別人数】

■1998年フランスW杯
・1968年生まれ以前:4人
・バルセロナ(69~72年生まれ):8人
・アトランタ(73~76年生まれ):8人
・シドニー(77~80年生まれ):2人

■2002年日韓W杯
・1968年生まれ以前:1人
・バルセロナ(69~72年生まれ):2人
・アトランタ(73~76年生まれ):7人
・シドニー(77~80年生まれ):13人

■2006年ドイツW杯
・アトランタ(73~76年生まれ):4人
・シドニー(77~80年生まれ):17人
・アテネ(81~84年生まれ):2人

■2010年南アフリカW杯
・アトランタ(73~76年生まれ):2人
・シドニー(77~80年生まれ):6人
・アテネ(81~84年生まれ):10人
・北京(85~88年生まれ):5人

■2014年ブラジルW杯
・シドニー(77~80年生まれ):1人
・アテネ(81~84年生まれ):4人
・北京(85~88年生まれ):9人
・ロンドン(89~92年生まれ):9人

※登録選手数は98年大会が22人、02年大会以降は23人

 なかでも興味深いのは、ベスト16に進出した10年南アフリカW杯だ。

 FW本田圭佑、DF長友佑都、FW岡崎慎司ら08年の北京五輪に出場したメンバーがチーム力を押し上げたが、コアメンバーとなったのはアテネ世代だった。GK川島永嗣、DF田中マルクス闘莉王、MF阿部勇樹、MF長谷部誠、MF松井大輔、FW大久保嘉人らである。若手としての北京世代、中堅としてのアテネ世代にアトランタ世代のGK川口能活、シドニー世代のDF中澤佑二とMF遠藤保仁らが加わったチームは、年齢バランスだけでなく、チームの経験値という意味でも申し分のないものだった。

 

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