W杯出場決定の瞬間、香川がベンチで秘めていた想い 「無理させたくないと言われていた」
豪州戦のために「この2カ月やってきた」
「このためにこの2カ月やってきたし、短期的な目標としてはこの試合しか考えてなかった。だからこそ、試合出場をチーム(ドルトムント)に望んでいた。チームにはそこまで無理させたくないと言われていた。ただ、これが目標だった。結果としてこうなったことは、すごくプラスになる。W杯に行くことが目標だったので、自分が活躍するのは二の次だった」
6月のシリア戦で左肩を負傷して以降、ドルトムントでも公式戦の出場は3試合のみ。出場時間はいずれも30分未満という状況だった。それでも、クラブからの無理してほしくないとの声を振り切り、日本代表の一員としてこの試合に挑むことを熱望していたという。
ピッチで歓喜の瞬間を迎えることは叶わなかったが、「準備は十分していたので、あとは出る選手をどう盛り上げて、どう自信を与えて、チームとして一つの結果を取れるか」と、仲間たちを陰から支えた。「本当に昨日の試合は大事だったので、出ていない選手を含めてみんなで勝ち取れたと思います」と、一丸となって勝ち取った成果を誇っていた香川。W杯アジア予選のラストを飾る敵地サウジアラビア戦に帯同せず、ドイツに戻ることになったが、ハリルジャパンの一員として一つの目標を達成したアタッカーは来夏のロシアW杯に向けて、再びドルトムントでの熾烈な戦いの日々に身を投じる。
【了】
フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
田口有史●写真 photo by Yukihito Taguchi
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