W杯出場決定の瞬間、香川がベンチで秘めていた想い 「無理させたくないと言われていた」

 

オーストラリア戦翌日に想いを語る 「自分の信念を貫けるかを大事にしたい」

 日本代表MF香川真司(ドルトムント)は6月の国際親善試合シリア戦(1-1)で左肩を脱臼した影響もあり、6大会連続のワールドカップ(W杯)出場を決めた8月31日のオーストラリア戦のピッチに立つことはなかった。そして翌1日にはコンディションが万全でないことが考慮され、代表チームから途中離脱すると発表。日本代表の10番を背負うアタッカーにとっては悔しさが募る代表活動となったが、「自分が活躍するのは二の次」、「試合を勝ち切ることが何より重要だった」とフォア・ザ・チームの精神を前面に押し出していた。

「(本大会までの)この1年、あらためてW杯が決まって、どう迎えるかっていうのを、もう一度日々考えながらやっていきます」

 オーストラリアを2-0で破り、日本のW杯出場が決定した翌日、香川は本大会までの身の振り方について考えを巡らせていた。「(W杯で)どう活躍するかっていうのを見据えたなかで、この1年どう取り組んでいくのかがすごく大事。個人的な技術アップっていうのはあまり求めていなくて、どれだけ自分の信念や意志をレベルの高いところで貫けるかということを大事にしたい」と、今後への意気込みを明かしている。

 日本中が歓喜に沸いたオーストラリア戦は、出番なしに終わった。「もちろん自分が出て(W杯出場権を)取りたかったですけど」と語る一方で、「(左肩の)状態を含めて、90分最初から使いづらいというのは監督ならば誰もが思うこと」と自身のコンディションも踏まえて、バヒド・ハリルホジッチ監督の采配をしっかりと受け入れた。日本の背番号「10」はチームメイトのサポート役に回っても、W杯出場権獲得に対する執念は誰よりも強かった。

 

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