本田と香川、ザックJ“二大エース”の4年間 W杯へ残り9カ月で挑む復権の道
絶対的でなくとも、衰えたわけではない
2014年ブラジルW杯後に、マンチェスター・ユナイテッドからドルトムントに復帰した香川は、出場試合数は少なくないものの、以前に比べて得点数が明らかに減っている。二桁得点をマークしたのはブンデスリーガ連覇時の11-12シーズン(13得点)が最後で、昨シーズンは1ゴールに終わった。
本田は香川よりも厳しい。ACミランに在籍していた16-17シーズンは、欧州進出後ワーストのリーグ戦8試合出場に止まった。得点は2シーズン連続でリーグ戦1ゴールである。ACミランに在籍した3シーズン半で、9ゴールしかあげられなかった。
積み上げてきた経験と実績は失われるものでなく、チーム内での存在感が変わらないとしても、スタメンで送り出すのは躊躇われる状況だ。W杯予選を戦うなかでFW大迫勇也(ケルン)、FW原口元気(ヘルタ)、FW久保裕也(ヘント)が所属クラブの好調さを持ち込み、FW乾貴士(エイバル)、FW浅野拓磨(シュツットガルト)らも攻撃の選択肢と成り得るパフォーマンスを維持していたことも、本田と香川がサイドラインの外側へ押し出される要因となっている。
ならば、彼らは今後も代表の控えなのか?
否、そんなことはない。
所属クラブできっちり結果を残せば、スタメン復帰の道は開けてくる。ハリルホジッチ監督のチョイスではひとまず絶対的な存在でなくなっているものの、彼らが衰えたわけではないからだ。
そして、ロシアW杯までの9カ月という時間は、何かを変えるのに十分である。
【了】
戸塚 啓●文 text by Kei Totsuka
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
page1 page2