モウリーニョ監督の真骨頂 リーグカップ決勝戦で冴え渡ったトットナム封じ

盤石な勝利で第二次政権での初タイトルを獲得

 チェルシーは1日、リーグカップ決勝戦でトットナムと対戦し、2-0の勝利で優勝を果たした。

 優勝を告げるホイッスルが鳴り響いた瞬間、ジョゼ・モウリーニョ監督はその拳を天に突き上げた。昨年チェルシー復帰後、第二次政権で手にした初タイトル。満面の笑みを浮かべたモウリーニョ監督は国営放送「BBC」で、「最初のタイトルを勝ち取ることができて、子供のように喜んでしまった。タイトルなしに生きていくというのは、私にはきついことなんだ。タイトルで自分を満たさなければいけない」と語った。

 「スペシャル・ワン」を自称する男は2004年から07年までの3年間で、プレミアリーグ2度優勝、FAカップ1度優勝、リーグカップで2度優勝を達成していた。インテルとレアルマドリードを経て、ロンドンの強豪に昨年凱旋したが、就任初年度は無冠に終わっていた。

 その中迎えた大一番での采配は冴え渡っていた。相手のエースストライカー、イングランド代表FWハリー・ケインは今季圧倒的な活躍を続けているが、指揮官はストライカーではなく、パスの供給元を徹底的に締め付けた。

 標的は相手のデンマーク代表MFクリスティアン・エリクセンだった。チェルシー中盤のキーマン、MFネマニャ・マティッチを出場停止で欠いたモウリーニョ監督はセンターバックのDFクル・ズマを中盤の底にシフトさせた。この一手が勝敗を分けた。今季トットナムで数多くの決定機を生み出してきたエリクセンを、ズマが徹底マークすることで、トットナムの攻撃陣は沈黙した。パスの供給源を失ったケインは大舞台で存在感を示すことができなかった。

 ピンチらしいピンチのなかったチェルシーは前半45分にDFジョン・テリーがCKのこぼれ球を押し込み先制。後半11分にはスペイン代表FWジエゴ・コスタがボックス内で左足を振り抜きネットを揺らした。見事な完勝でチェルシーは5度目のリーグカップ優勝を飾った。

「これは始まりにすぎない。我々は偉大なチームと比肩するためにもっとトロフィーを勝ち取らないといけない。我々は最高の若手とハングリーさと経験を持った選手が存在する素晴らしいチームだ。最高の融合だよ」チームリーダーのテリーは語った。

 プレミアリーグを独走するチェルシーにはリーグ、欧州チャンピオンズリーグで優勝する可能性が残されている。トロフィー1つでは満足できないというモウリーニョ監督の目指すもの、それは今季3冠達成だ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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