苦悩の本田が名門ミランで戦う難しさを語る 「イタリアで最も政治的」
1人ではなく11人で戦うべきだ
ACミランのFW本田圭佑は、セリエA9位と苦しむチームについて「イタリアで最も政治的」と語り、赤と黒の名門が抱える問題点を指摘した。
本田は、2月28日のキエーボ戦で2試合連続でベンチスタートとなった。後半スタートから途中出場した本田は、その3分後、強烈なミドルシュートを左足で放った。だが、惜しくもそれはバーをたたいた。昨年10月19日以来のゴールはならず。試合も0-0に終わった。
その試合後、勝てない悔しさを抑え込むように淡々として口調で言葉を重ねた。
「見ての通り難しい試合だったなと思います。前の試合に勝った後に言っ たと思うんですが、別に良くて勝ったわけではない。前回はある程度相手に助けられた部分があった。対策されたら、なかなか打開はできない。それが今日、ピッチ上で出ていたんじゃないかなと」
前節のセリエB降格圏に苦しむチェゼーナ相手には、2-0で勝利を飾ったが、自分たちが改善されたわけではなく、相手の状況によるものだと、本田は主張していた。この日はチェゼーナよりも強いキエーボ相手だったため、本田が途中投入後も、五分五分の展開を余儀なくされてしまった。
「決まるときは決まるということ。入る入らないについては深く考える必要はない。もっとチームとして本質を追求していく必要がある」
ミドルシュートを決められなかった本田だが、1本のシュートを振り返 るよりも、取り組むべき重要な部分があるという。
「移籍してきて1年間ずっと意識している。それがミランに足りないのは明らか。1月にミランに移籍してきたが、1人でチームを変えることはできない。それはカカがいた時もバロテッリがいた時もそう。結局チームは11人であるもの。僕の言う本質というものは、11人の総合力をいかに高めるか。その考え方。そのクオリティーというか、考え方、お互いビジョンが違いすぎるのが、今のミランの課題であり、もしかするとビジョンを同じに保つために、イタリア人を多くピッチに送り込んでいるのかもしれない。でも、それでも結局ダメなわけで、なかなか難しい。我慢というか変えないといけない。監督ともちょこちょこ話している。監督もやりたいように やればいいと思う」