決戦直前! データで見る「豪州攻略法」 日本の生命線は“右サイド”にあり
3-2-4-1の導入以降、左サイドから5失点
[DATA-2]は、オーストラリアがシステムを4-3-1-2から3-2-4-1に変更した第8戦サウジアラビア(3-2)以降の失点ゾーンの図解となる。親善試合ブラジル戦(0-4)を挟み、コンフェデレーションズカップでカメルーン(1-1)、チリ(1-1)、ドイツ(2-3)と計5試合を行った。
攻撃面ではCKからの得点に依存せず、流れのなかからのゴールが増えたというポジティブな傾向が見られたが、守備面では功を奏した部分があるとは言い難い。もちろん、対戦相手がブラジルやドイツなど強豪国が多かったというのは、オーストラリアにとって一つのエクスキューズとなる。それでもブラジル戦以降の4試合で、左サイドから5失点を喫している点は、日本として注目したいポイントだ。
得点力向上に主眼を置き導入されたオーストラリアの新システム「3-2-4-1」だが、ウイングバックが高めのポジションをとるが故に、守備面ではどうしても穴が生まれてしまう。象徴的だったのが、コンフェデ杯のドイツ戦における3失点目のシーンである。
[DATA-3]で図解した通り、ドイツに狙われた左サイドにこの場面でも両チームの選手が密集。オーストラリアは人数を多く割き対応したものの、ボランチと左ストッパーが潰しに行ったことで、本来守るべきポジションにスペースが生まれてしまう。これに気づいたムーイが埋めにかかるも、ドイツのDFキミッヒからのパスにMFゴレツカが走り込んで、そのままゴールを決められてしまった。
3バックにして攻撃に人数をかける反面、試合を見る限りは守備戦術が整備しきっているとは言い難く、日本としてはカウンターからの横方向への揺さぶりなど、多くのアクションを行いながらオーストラリア守備陣を瓦解させたいところだ。