日本戦でも鍵となる豪州の新布陣「3-2-4-1」 ハリルJが警戒すべき攻撃パターンとは?
日本の守備面のキーマンはトップ下
オーストラリアのサイドプレーヤーが高い位置を取るのは、相手のサイドバックを押し込みつつ、最終ラインを左右に開かせるためだ。この場面でも相手GKがボールを持った際に、相手のサイドへのパスコースを遮断。中央にパスを蹴らせるよう誘い込み、奪った後は中央の空いたスペースを一気に突く。相手DF陣が中央に絞る動きを逆手に取るように、最後はがら空きとなったサイドにパスを通してフィニッシュ。ボールと人が意図を持って連動し、ドリブルとショートパスを駆使して崩す形が体現されたことから、オーストラリアがかつてのようなフィジカル主体で攻めるスタイルに依存していないことは明らかだ。
一方、最終予選の日本の失点パターンを確認しておくと[DATA-4]の通りとなる。5勝2分1敗で15得点6失点、平均失点数が1点を切る優秀な数値を残しているが、失点の仕方には一つの傾向が見られる。PK献上が2点、直接FKが1点、直接FKに頭で合わせられたのが1点、そしてゴール前でのミスによる1点と、極論すれば守備組織全体が崩されたというより、セットプレーなどによりゴール前での個の競り合いで後手を踏み、押し込まれたものが多い。
オーストラリアになるべく押し込まれる状況を減らすという意味で、日本の守備面でのキーマンはトップ下を務める選手を挙げたい。オーストラリアのサイドプレーヤーは単騎で攻めてくる場面は少なく、中央の選手と連動して動くため、心臓部となるボランチの選手にプレッシャーをかけ続けることは、相手の攻撃を封じるうえで大きなポイントとなる。
前回対戦時にはMF香川真司が、オーストラリアのキーマンであるMFムーイに仕事をさせなかった。香川だけでなく、前線からハイプレスをかけ、高い位置からボールを奪えれば、自ずと日本の得点チャンスも増えていくはずだ。
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Evolving Data labo●文 text by Evolving Data labo
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images