「わざと引いて…」豪州攻略へ 長友は頭脳的な“イタリアのお家芸”をイメージ
狙うは電光石火の…
オーストラリアは過去のイメージと違ったチームになってきている。長友もまた「オーストラリアはフィジカルと高さと言われていますけど、彼らはすごくつないで蹴ってこない」と、その戦術を把握している。その相手の狙いを理解したうえで、真っ向勝負とは違った形でゴールを陥れるイメージを語った。
「前から行くだけでなく、わざと引いて相手を来させてショートカウンターもある。そういう自分たちの経験も、頭を使いながらやらないと。フィジカル勝負では勝てない」
勝利のためのゴールを欲するからこそ、あえて相手を引きずり込んで電光石火のカウンターを狙う。まさに長友が6年以上にわたってプレーしているイタリアのお家芸だ。オーストラリアが自分たちの技術に自信をもって挑んでくるからこそ、それを逆手に取る戦略もイメージしている。
日本代表95試合出場の経験を持つ長友は、W杯予選も3大会目。オーストラリアとも5度の対戦経験があり、2011年アジアカップでFW李忠成の決勝ゴールをアシストしたクロスは日本サッカー史に燦然と輝く。その経験と、イタリアで培ったしたたかさは、長友が持つ大きな武器だ。コンディションの不安を払拭したダイナモの頭の中には、オーストラリアを撃破するシナリオが出来上がっている。
【了】
轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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