ヴェルディ黄金期のGK藤川孝幸 指導者からビジネスマンへ、50代での華麗な転身
現役引退後は指導者の道へ Jクラブから監督のオファーも届く
かつて黄金期のヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)のGKだった藤川孝幸氏は、現役引退後に指導者の道に進んだが、2015年1月に総合スポーツサービス企業のリーフラス株式会社に入社した。同社で常務取締役を務めるだけでなく、今年5月にはリーフラスが運営権を取得した北海道地域リーグの十勝FC(十勝スカイアースに改称予定)の代表に就任している。今ではビジネスの世界で成功を収めているが、日本サッカー協会S級ライセンスも保持する藤川氏にとって、指導者からの転身は想定外のことだった。
監督としてのさらなる成功を目指していたところでJクラブからもオファーが届いたが、快く首を縦に振ることはできなかったという。
「提示されたのは、それまで自分がもらっていたものよりも安い給料でした。これが現実か、という感じ。J3チームからのオファーでしたが、監督でこの年俸かというような提示を受けて、これは無理だなと思った。監督はやりたいけど、家庭もある。これではいくらなんでも理想は追えないということでお断りして、リーフラスに来ました」
1977年に読売クラブユースに入り1995年にスパイクを脱いでからの藤川氏は、V川崎でのGKコーチから始まり、ヴィッセル神戸、ベガルタ仙台、セレッソ大阪、アビスパ福岡とJクラブのコーチやGKコーチを歴任。その間に甲南大学、静岡FCで監督も務め、リーフラスへ入社する前には国際武道大学で指揮を執った。JFA公認S級ライセンスを取得する際の海外研修時には、当時バルセロナを率いていたあのルイス・ファン・ハール氏からも認められた。指導者としておよそ20年のキャリアを積んだが、そこから全く別のステージに進むことになった。