宮本恒靖が語る日本代表の現在地 W杯代表メンバー発表で注目される最後の一押し

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 私がチームの成長を感じたのは、12年6月のW杯アジア3次予選です。ホームでオマーンをシュート1本に抑えて3-0で快勝し、続くヨルダン戦は相手に退場者が出たとはいえ、6-0という安定した戦いをしました。以前、オマーンやヨルダンは想像以上に難しい相手でしたが、その相手に日本代表が余裕を持って戦っている様子に、アジアにおける日本の成長を感じました。

 ただ、組織というものは、長い年月の間にどうしても“中だるみ”の時期が起こります。それが結果につながらなかった昨年の話です。しかし、11月の欧州遠征(オランダ&ベルギー戦)までにチームの雰囲気を変えることができたのは大きかったでしょう。チームをつくる上では“流れ”があり、メンバーを固定することでコンビネーションが構築される一方、どこかで必ず行き詰まりが生じます。そこで効果的に刺激を加えることでチームがもう一段階、上のレベルに成長できるのです。

 注目すべきは、ザッケローニ監督が大会直前にどんな刺激を加えるか。数名のけが人が出てはいますが、指揮官の中ではある程度のメンバーは決まっているでしょう。チームづくりの流れも悪くない中で、“もうひと押し”することができるか。新しいメンバーを入れるのか、最後の段階で戦い方を少し変えてみるのか。それがうまくいくと、本大会へ良い雰囲気で入っていけます。メンバー発表から本番までは、いかにチームの雰囲気をつくるかが大切です。

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