日本の二枚看板、本田と香川の処遇は? ハリル監督も状態心配「直接見て決めたい」
修羅場を知る二人に与えられる役割は…
2010年のザックジャパン発足時から、日本代表の攻撃は本田と香川が中心を担ってきた。絶対的な存在ゆえ、所属クラブでの立場がどんな苦しくても常に招集されてきたが、本田が務める右ウイングはFW久保裕也(ヘント)の台頭が著しい。香川の務める攻撃的MFも、スペイン移籍でひと皮むけたMF柴崎岳(ヘタフェ)が虎視眈々とその座を狙っている。現時点での二人は、以前のように何が何でもピッチに立たせなければいけないという存在ではなくなってきているのかもしれない。
それでも、ハリルホジッチ監督は招集に踏み切った。それは、彼らには経験という“無形の財産”があるということだろう。特に、本田についてハリルホジッチ監督は「存在がチームに大事だ」と表現している。
ホームで迎えるオーストラリア戦、アウェーのサウジアラビア戦のいずれかに勝利できれば日本代表はワールドカップへの切符を獲得できるが、もし最終節のサウジアラビア戦へ持ち越すことになったら――。指揮官は、そうした“最悪の事態”も想定しているに違いない。
代表チームの「喜び」と「苦しみ」を味わってきた“二枚看板”は、最終予選の修羅場も経験済みだ。仮にスタメンでなくとも、途中出場でゲームを落ち着かせる、あるいは他の選手たちに安心感を与えることもできるはずだ。
【了】
轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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