浦和の武藤が矜持を示した川崎戦アウェー弾 「無駄になっても走り続けて…」
リーグ戦とは異なる1ゴールの重み
その待ちに待った1回はこの日に訪れた。確かにチームは2点差の敗戦となったが、武藤の1点はアウェーゴールだ。通常のリーグ戦とは重みが違うものになる。仮に第2戦で浦和が2-0の勝利を収めれば、武藤の1点が浦和に大逆転をもたらす貴重な一撃としてクローズアップされるだろう。
「このACLは2試合を通しての結果なので、このアウェーゴールがポイントになると前向きに捉えたい」
浦和はラウンド16の済州ユナイテッド(韓国)戦でも2点差をひっくり返したが、その時は第1戦の0-2からの逆転だった。それに比べれば、状況は多少なりとも良いと表現することもできる。
武藤が自らの矜持を示して決めた一撃は、浦和にとっては2007年以来のアジア制覇へ希望の光になった。第2戦は累積警告により出場停止になるストライカーは、自らの残したゴールが準決勝進出につながることを信じてその時を待つ。
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轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images