浦和に大誤算、堀監督も「影響あった」 川崎戦3ボランチで防戦一方の原因とは?

ポイントは「ボールを持つ時間」

「守備の時間は長くなると考えましたけど、もう少し自分たちでボールを持つ時間を作りたかった。ただ、ビルドアップを含めてそこが上手くいかなかった結果、攻撃を受け続けてしまったと思います。相手の時間が多かったことによって、足が動かなくなって対応できなくなっていってしまった」

 結果的に、ボールを奪うことよりもゴールを守ることで精一杯になってしまった浦和は、ハーフタイムの時点でACL公式サイトのデータでボールポゼッション36.4%。シュート数もわずかに2本だった。一方の川崎はシュート8本を放ち、前半33分にFW小林悠が先制ゴール。攻撃に出ていく力を欠き、GK西川周作へのパックパスから前線へフィードという展開が多くなったことで、ボールを持つ時間を作れなかった。

 堀監督にとって大きな誤算だったのは、MF柏木陽介が「ウォーミングアップ中に足の付け根にトラブルがあって出られないと伝えてきた」こと。その結果として青木を急きょスタメンに入れた。堀監督は「青木を入れて役割は同じだったが、配球の面などで選手のキャラクターが違うので、その影響はあった」と話した。キックオフ前だったので交代枠の減少はなかったが、ベンチメンバーは6人に。戦術的な変化をつけられるカードは1枚減ってしまった。

 厳しい戦いになった浦和だが、後半31分に途中出場のFW武藤雄樹がアウェーゴールを奪ったのは希望の光だ。ラウンド16の済州ユナイテッド(韓国)戦でもアウェーで0-2の敗戦を喫する第1戦から勝ち上がっただけに、「アウェーで1点を取って浦和に帰れることをポジティブに捉えたい」と前を向いた。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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