ACL8強、川崎がFW小林の2発で3-1先勝! 浦和は07年以来のアジア王座奪還遠のく
真っ向勝負に出た浦和、それが裏目に…
後半のスタートから浦和の堀孝史監督はFW李忠成に代えてFW武藤雄樹を投入。矢島を2シャドーの一角に上げる普段通りのシステムに戻し、川崎のビルドアップにもプレッシャーをかける真っ向勝負に出た。
しかし、その考えは裏目に出てしまう。開始早々に中村のFKからMF阿部浩之にシュートを許すと、これはGK西川周作のファインセーブで事なきを得た。しかし、後半5分にはDF遠藤航のサイドに走り込んだ小林に対してMF駒井善成の中央へのカバーが遅れるとそのまま突破を許した。小林の左足シュートは再び西川がファインセーブを見せたが、そのこぼれ球に後方から一気に駆け上がってきたDFエウシーニョが反応し、難しい体勢からボレーシュートで流し込み2-0とリードを広げた。
2点ビハインドのなかでボール保持率を高めるようになり、アウェーゴールを奪えば2試合トータルでの趨勢を大きく変化させられる浦和は同25分、矢島に代えてここまで大会5ゴールのFWラファエル・シルバを投入。スピードと突破力のあるストライカーに命運を託した。
すると浦和は同31分、青木が背後に出した縦パスに抜け出した武藤がGKと1対1になり、冷静に左足シュートを流し込んで浦和に貴重なアウェーゴールを奪う。出場から絶え間なく最終ラインとの駆け引きを続けた武藤は公式戦で7月1日のサンフレッチェ広島戦以来のゴールとなった。
川崎は再び攻撃への圧力を高めると同40分、左サイドでボールを持った家長が縦に突破して遠藤を振り切ってパス。ファーサイドでマークを外した小林がヘディングで合わせ、川崎が3-1とリードを再び2点に広げ、初戦を勝利で終えた。
9月13日には浦和のホームで第2戦を迎える。アウェーゴールを得たものの2点差の敗戦となった浦和は2007年以来のアジア王者奪還に厳しい立場へ追い込まれた。一方の川崎は過去最高のACLベスト8を突破しての準決勝進出へ大きな一歩を踏み出した。
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フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images