主役の座を追われた本田 インザーギ監督は4-3-1-2を継続か!?

ミランのシステム問題に答え

 そして、今回の迎えたチェゼーナ戦で新たなシステムが試された。「4-3-1-2システムが最後にきた。司令塔の本田が、ピルロをマークする課題を与えたことが明白だっ たトリノでの試合(ユベントス戦)は偽だ。チェゼーナ戦は明確な試合だった」。本田がトップ下で先発した2月7日のユベントス戦で、本田の役割は背番号「10」が本来担う攻撃のオーガナイザーではなく、ピルロのマーカーだった。今回のチェゼーナ戦こそが、システム本来の良さが表現できたと分析したのだ。
「結果的にミランはバランスがとれて安定した。みんなが連動して動いていた。それぞれのラインもコンパクトで、何よりも明らかにプレーが良かった」
 サンシーロのピッチでは、チームとしての機能性が見て取れたという。その中心にいたのは、戦前トップ下に入ると地元メディアに予想されていた本田からポジションを奪う格好となったボナベントゥーラだ。
「誰よりもボナヴェン トゥーラが活躍した。メネズは自分自身になかなか満足しない。デストロとはあまりうまく連係が取れていなかったが、ボナべントゥーラとはとても生産的だった。ポーリとのコンビネーションも良かった。ジェレミーは2トップの方がマークから外れ、フリーになる。ボールを持った時にヘッドアップすれば、さらに完璧だ」
 チェゼーナ戦で先制点を決め、ポスト直撃弾も放ったボナベントゥーラの明晰(めいせき)さは、地元メディアからも高く評価されている。2トップへの変更によって、今季12ゴールでチーム得点王の元フランス代表ジェレミー・メネズも恩恵をあずかることができる。ボールを保持したときに顔を上げてパスで周囲を生かせば、より連動性は高まるという。
「インザーギの言葉 通り、攻撃は選択が難しくなった。それは朗報である。トンネルを抜けて光が見えてきた」
 8位に浮上したミランは、光明を見いだしたのかもしれない。チェゼーナ戦で出番のなかった本田は定位置を奪回できるのか。現時点でミランの主役の座はボナベントゥーラとメネズにシフトした。激化するポジション争いで本田は生き残りを懸ける。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド