セレッソ杉本、好調の要因とは? データが示した “全方位型ストライカー”への覚醒
あらゆる方向からのパスをゴールにつなげる
まず比較したのは、過去3年と今シーズンの「ゴール時に杉本がボールを受けた方向」である(DATA-1参照)。これまでは中央から出てきたボールを決める傾向が強かったものの、今季はピッチのあらゆる方向からのパスでもフィニッシュにつなげていることが分かる。
また、ゴールを決めた位置を分布図にすると、昨季までは左サイドハーフを務めることが多かったためか、やや左に偏ったフィニッシュ傾向にあったが、今季は中央に密集する傾向が高い(DATA-2参照)。
そして最も大きく変化したのは、[DATA-3]で示したゴールパターンだ。昨季まではこぼれ球やディフレクションなど、流れのなか以外での得点傾向も高い。杉本は上背があるため、頭での得点が多いと思われがちだが、過去3年間は頭が24%、左足が20%、右足で56%となっており、セットプレー時でもこぼれ球で押し込むケースは少なくなかった。
ところが今季はクロスからの得点パターンが圧倒的に増えており、クロスからの得点やヘディングシュートの得点はすでにキャリアハイとなっている。