セレッソ杉本、好調の要因とは? データが示した “全方位型ストライカー”への覚醒
7月以降に出色のパフォーマンス 自身のJ1年間最多ゴール数を更新中
今季3シーズンぶりにJ1に参戦しているセレッソ大阪は、開幕から2分1敗とスタートダッシュに失敗したものの、3月18日に行われた第4節サガン鳥栖戦(1-0)で初勝利を収めると波に乗った。その後4カ月間でわずか1敗(12勝3分)と快進撃を続け、第17節FC東京戦に3-1で勝利すると、2005年11月以来、約12年ぶりにJ1首位の座に立った。
その好調なチームで出色のパフォーマンスを見せるのが、4-2-3-1システムで1トップを務めるFW杉本健勇だ。今季からユン・ジョンファン監督が率いるチームで開幕からレギュラーの座をつかむと、第7節ガンバ大阪(2-2)で今季初得点を含む2ゴール。4月、5月と3得点ずつ決め、6月は無得点と一度勢いは下降するも、7月に爆発する。前述した第17節FC東京戦で1ゴールを決めると、第18節柏レイソル戦(2-1)、第22節浦和レッズ戦(4-2/日程の関係で前倒し開催)、第19節ガンバ大阪戦(1-3)、第20節北海道コンサドーレ札幌戦(3-1)と5試合連続7ゴールを決めてみせた。
第21節清水エスパルス戦(2-3)で連続ゴールは途切れたが、気づけば13得点でゴールランキングの最上段には、序盤破竹の勢いを見せていた興梠慎三(浦和)と並んで「杉本健勇」が立っていた。
すでにJ1における自身キャリア最多ゴール数となっているが、今季の杉本は何が変わったのだろうか。
過去数シーズンのデータと比較した際、スプリント数や空中戦勝率など、個々のデータには大きな変化は見当たらなかった。しかし「個々の数値が変わらなかった」なかで「結果が表れている」ため、杉本のプレーエリアの変化や選択するプレーの変化を確認すると、興味深いデータが見て取れた。