Jリーグからは消えない――昨季リーグ2位&天皇杯優勝の横浜F・マリノスが単年度の黒字化に成功

クラブライセンス制度への課題も解消へ

 また、この日はクラブライセンス制度(※12年度から3期連続赤字、もしくは14年度末の時点で債務超過の状態ならば、クラブライセンスを剥奪される新制度)への対策として、16・8億円の累積損失に対して、2013年度に日産自動車から特別利益として10億円の支援を受けたことも発表。残りの6・8億円も今年度中に何らかの形で解消できるとした。これは自力で単年度黒字を達成した経営努力等が親会社の日産自動車にも認められた結果であり、クラブは今後も、単年度黒字化を目指す方針を示している。

 嘉悦社長は「900万円の黒字だから水面上に少しだけ出た程度だが、弊クラブにとっては画期的なこと。少なくとも過去の歴史の中では、実は実質的にずっと赤字だった。それが赤字補填をしないでプラス900万円。本当の黒字です」と手ごたえを口にしている。

 クラブライセンス制度の導入によって、昨年は「F・マリノスはJリーグから消えるのでは」との声も囁かれたが、この日の発表によって、その不安の大半を解消したことになる。親会社からの補填により黒字を維持するクラブもある中で、自力で赤字を解消し、かつ優勝争いができる可能性を示した横浜FM。J屈指のビッグクラブが見せる近年の飛躍は、多くのJクラブを鼓舞することになりそうだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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