リーグ10戦負けなしのアルビレックス新潟 地方クラブが目指す“未踏の領域”とは
一時は浦和レッズをも凌駕し、2003年から3季連続でJ最多の観客動員を記録。特にJ1昇格2年目の05年には1試合当たりの平均観客数が約4万人にまで達している。
当時、その影響力は県内だけにとどまらなかった。新潟の熱に引き寄せられ、縁もゆかりもない土地のクラブのサポーターになった人もいる。
東京・八王子出身の瀬戸潔さんもその一人だ。もともとは横浜フリューゲルス、とりわけ、山口素弘の大ファンだったが、フリューゲルス消滅後は山口の所属クラブを追いかけるようになり、同選手が03年に新潟に移籍するとともにこの地方クラブに注目するようになった。
そして同年の9月に初めてホーム戦に足を運んだときに、運命的な出会いを果たす。試合のついでに足を運んだ地元のワイナリー「カーブドッチ」に一目で惚れ込んだのだ。
そのワイナリーは新潟市の中心部から海沿いに20キロほど西へ行った丘陵地にある。広々とした敷地内にワイン蔵やぶどう畑などが点在する風景は気品と開放感に溢れ、県内外から多くの観光客を集めていた。
「僕はイタリアワインが好きだったから、日本のワインってそんなに気にしていなかった。でも来てみたら、こういう風景が広がっていて、欧州がここにあるみたいな感じがあって、一発で気に入りましたね」