経営難のパルマに伊協会&リーグが7億円弱の緊急融資か 伊紙が報じる

 

困窮するパルマ、新会長は音信不通

 

 経営難からホーム試合開催を延期したパルマを救済するために、イタリアサッカー協会とリーガ・セリエAが500万ユーロ(約6億8000万円)を緊急融資する可能性が浮上している。イタリア地元紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」が報じている。

 パルマは今季開幕時から経営難が深刻化し、選手、スタッフの誰一人として給料を支払われていない。コレッキオの練習場の電気供給はストップし、選手は真冬に冷水のシャワーを浴びるほどチーム状況は困窮している。警備員の人件費も支払えずに22日のホーム、ウディネーゼ戦の開催は延期されていた。

 今月1ユーロ(約135円)でパルマを買収したばかりのジャンピエトロ・マネンティ新会長は資金繰りに自信を見せていたが、自身が経営する親会社「マピ・グループ」のメーンバンクの銀行口座の残高がゼロとなり、口座が閉鎖されたと地元メディアは報じていた。新会長が音信不通状態となり、雲隠れ疑惑も浮上している。

 中田英寿氏が2001年から04年までプレーしたことで日本のサッカーファンにもおなじみのパルマは、イタリア杯優勝3回、ヨーロッパリーグ(UEFA杯)優勝2回を達成。また、現在ユベントスのイタリア代表GKジャンルイジ・ブッフォンら世界屈指の名手が所属した欧州屈指の強豪だった。記事によると、そのパルマの経営危機にイタリアサッカー協会とリーグは共同で500万ユーロの緊急融資をする方針を固めているという。

 今季途中にパルマが破産を申し出た場合、自動的に残り日程全試合で0‐3負けという扱いになるとされているが、対戦相手のホーム試合開催に伴う入場料収入などにも打撃を与えることになる。その事態を避けるために、緊急融資によりリーグの管理下に置いた状況で今季全日程を消化し、来季セリエBから再出発、また、融資した500万ユーロは新たなオーナーが返却するというシナリオをリーグと協会側は準備しているようだ。現在リーグ最下位のパルマは再生への第一歩を歩み出すことができるだろうか。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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