本田が挑むメキシコリーグの環境は? 先駆者証言、アルコールを使う驚きの高地トレも

日本でメジャーではないメキシコの環境とは

 メキシコがサッカー強豪国ということは、多くのサッカーファンでも知っていることだろう。しかし、15歳の少年がプレーするにあたって、環境的にはどうだったのだろうか。

 最初の3カ月ほどはスーパーでバイトしながら、終わったら練習へ通う生活だったが、苦しいどころか事態はすぐに好転したのだという。

「ある時、コーチから『お前はいったいどこから通っているんだ』と聞かれたんです。『(メキシコ・)シティから通っています』と言ったら、『それはだめだ』って。まだ言葉が上手くなかったのもあってコーチに伝えていなかったんです。でも、それがきっかけで寮に入ることになりました」

 寮での生活はしっかりと管理されたものだった。「トルティーヤはあまり食べられなかった」と言うように、食事の面ではユースの頃から管理栄養士がついていた。「52kgくらいしかなかった」体重も、1日5回の食事と用意されたプロテインで76kgまで増やした。加入当時は2部、その後3部となったトルーカというクラブでさえ、これだけの環境が整っていた。百瀬氏は「日本だって、ここまでちゃんとやれていないと思います」と語っている。そして翌93年にトップチームと契約し、見事メキシコリーグで初の日本人プロ選手となった。

 

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