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MLSが導入したリーグ主導の国際ネットワーク そのメリットとは?
そこで、メジャーリーグサッカー(MLS)が2010年より導入したのが「リーグ主導の国際ネットワーク」である。クラブ単体ではなくリーグとして予算を計上し、各国のコンサルタントと契約。リーグに雇用されたコンサルタントは、MLS全クラブに対してサービスを提供するというわけだ。
現在はブラジル、アルゼンチン、フランス、メキシコ、そして日本などのスタッフと契約しており、今後も他国へと拡張していく予定だという。
契約コンサルタントの主なサービス内容は、①クラブに売り込みがあった選手の基本情報、代理人情報、年俸、負傷歴などのフィルタリング、②クラブが選手を探す際の予算や希望に合わせたリスティング、③リーグやクラブが現地に赴く際のコーディネーション、④当該地域におけるMLS関連事業の窓口業務、など。あと年数回、オールスターやチャンピオンシップなどリーグイベントの際に一同がアメリカに会し、情報交換および各クラブとの打ち合わせを集中的に行っている。
移民の国アメリカには多様なグローバル企業が集っているだけでなく、MLSには現在61か国、213名の海外選手が在籍。グローバル化が益々進むサッカービジネスにおいて国際対応が急務だったとはいえ、クラブ間の格差をなくすために国際ネットワークを構築して、リーグとしてサポートする形式は、今後の「リーグ経営」における新しい考え方だ。
クラブの価値、ひいてはリーグの価値を効率良く向上させるための賢い手法と言えると思う。
【了】
中村武彦●文 text by Takehiko Nakamura
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