若き日の小野や本田が放った輝き オランダで欧州“一歩目”を刻んだ日本人選手の系譜

「組織のなかで輝く個」を求めるオランダ

 結果という意味では、ハーフナー・マイク(現ヴィッセル神戸)は周囲を納得させた。11-12シーズン途中からフィテッセの最前線に立ち、12-13シーズンと13-14シーズンに二桁得点をマークする。これによってリーガ・エスパニョーラのコルドバへの移籍を勝ち取るが、新天地では出場機会に恵まれない。HJKヘルシンキを経て15-16シーズンにエールディビジへ復帰したハーフナーは、ADOデンハーグで得点源となり、今夏にヴィッセル神戸入りした。

 16-17シーズンからは、小林祐希がヘーレンフェーンのユニフォームを身に纏っている。若手育成に定評のあるクラブで、日本の異才は1年目から主力を担った。

 そして来る新シーズンは、今夏ガンバ大阪からフローニンゲンに移籍した堂安律がエールディビジのピッチに立つ。現地時間13日に行われる開幕戦の相手は、小林のヘーレンフェーンだ。プレシーズンから好調を維持する堂安が、フローニンゲンを勝利へ導くのか。いきなりの日本人対決で小林が意地を見せるのか。

 4-3-3の攻撃的スタイルをベースとするオランダのサッカーは、「組織のなかで輝く個」を求める。チームの勝利を後押しする煌めきを発揮した者こそが、さらなる高みへの「第二歩」を踏み出していく。

【了】

戸塚 啓●文 text by Kei Totsuka

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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