パルマが警備員を雇う資金も不足 無観客試合で対応か!?
銀行口座の残高はわずか4万ユーロ
そして、次節のウディネーゼ戦を前に新たな危機的状況に直面した。地元メディアの報道によると、クラブの銀行口座の残高が4万ユーロ(約540万円)しかなく、ホーム1試合開催に必要な経費をまかなえない状況に追いつめられていると伝えられた。クラブは警察、警備員、消防士らと話し合いを持つ予定だが、資金繰りが保証されない限り、警察などは出動を拒否する構えだと報じられた。その一方で、新会長のジャンピエトロ・マネンティ氏は試合翌日に銀行に送金があると主張 している。
サポーターのいざこざなど、セキュリティの問題が絶えないセリエAにおいて警備員なしでの試合を開催しなければいけないリスクは非常に高い。だが、政府への税金や選手に給料を支払えないクラブがガードマンや警察に支払える道理もない。ここで試合開催に当たる経費を最大限に削減するため、無観客試合として経費を削減する究極の手段が急浮上したのだ。警備費などは必要ないが、貴重な入場料収入を捨てる上に、前売り券の払い戻しなど、更なる支出も生まれるリスクがある。
中田英寿氏が2001年から04年までプレーしたことで日本のサッカーファンにもおなじみのパルマ。過去にはイタリア杯優勝3回、ヨーロッパリーグ(UEFA杯)優勝2度を達成。また、現在ユベントスのイタリ ア代表GKジャンルイジ・ブッフォンら世界屈指の名手が所属した欧州屈指の名門だった。だが、03年の親会社のパルマラットの破産がきっかけで経営状態が悪化の一途を辿り、最大のピンチを迎えている。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images